2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

早稲田文学

『早稲田文学』第十次創刊号を入手した。篠山紀信撮り下ろしの川上未映子のグラビア写真が冒頭にあり。川上未映子『戦争花嫁』は、「戦争花嫁」という言葉を「意味のない言葉は人を傷つけない」用法として、言語的な限界に挑戦する不思議な作品だ。 早稲田文…

本の本

斎藤美奈子さんの書評集『本の本』(筑摩書房, 2008.3)を入手。730頁プラス8頁の索引(書名、著者)が付いている。目次から主題別に見て行くより、索引から目的の本の書評を読むという読み方ができるところが良い。 本の本―書評集1994‐2007作者: 斎藤美奈子…

清水宏三本目『簪(かんざし)』(1941)も、舞台は温泉場。団体客の到着から始まり、按摩を呼ぶというシチュエーションは、『按摩と女』の設定を引き継ぐような雰囲気であり、気難しい教授・斎藤達雄、お人好しな日守新一とその妻、戦傷帰還兵・笠智衆など…

按摩と女

同じDVD−BOXに収録されている『按摩と女』(1938)は、盲目の按摩・徳市(徳大寺伸)と福市(日守新一)が二人で峠の山道を歩きながら、向こうからくる子供の人数を当てるゲームに興じたり、ハイキングの学生たちより早く歩くことに喜びを見出しながら、…

有りがたうさん

清水宏のDVD『清水宏監督作品第一集 山あいの風景』(松竹)を入手。早速、『有りがたうさん』(1936)を観る。定期路線(寄合)バスの運転手(上原謙)が、山あいの道で出会う人々に「ありがとう」の声をかけるので、「有りがたうさん」と呼ばれている。…

実物を見ておきたい絵画

グリーナウェイ『レンブラントの夜警』に触れたとき、この絵画の実物を見ていないことが切実になった。人生の時間は限られている。内村剛介『見るべきほどのことは見つ』(恵雅堂出版,2002.6) という書物があったが、本に関しては「読むべき本は読んだ」と…

レンブラントの夜警

ピーター・グリーナウェイ監督最新作『レンブラントの夜警』(Nightwatchnig, 2007)を観る。『英国式庭園殺人事件』もそうであったように、グリーナウェイは絵画への造詣が深い。また、『コックと泥棒、その妻と愛人』では、レストランの壁にはたしかフラン…

海外の長編小説ベスト100

『考える人』24号は、特集「海外の長編小説ベスト100」、選者129名によって選出されたもの。 考える人 2008年 05月号 [雑誌]出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/04/04メディア: 雑誌購入: 3人 クリック: 63回この商品を含むブログ (40件) を見る 1.ガ…

バートルビーと仲間たち

それは朝のラジオ番組、「森本毅郎スタンバイ!日本全国8時です」3月25日、火曜日のゲスト・荒川洋治氏による本の紹介によって始まった。ハーマン・メルヴィルに『バートルビー』という作品を知る。書記バートルビーの導きにより、書かないあるいは書けなく…