2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

小島信夫

小島信夫氏が10月26日に他界された。享年91歳。小島氏の『月光 暮坂』について書いた日に亡くなられるとは、何ということだ。ご冥福をお祈りいたします。合掌。

月光 暮坂

小島信夫『月光 暮坂 小島信夫後期作品集』(講談社文芸文庫,2006.10)読了。 月光・暮坂 小島信夫後期作品集 (講談社文芸文庫)作者: 小島信夫出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/10/11メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (17件) を見る 『…

本日記

10月発売の坪内祐三本が三冊あった。いずれも、連載ものをまとめたものだから、偶然出版時期が重なったのかも知れない。入手した順に並べると以下のとおりとなる。『『近代日本文学』の誕生』(PHP新書) 『酒日誌』(マガジンハウス) 『本日記』(本の…

ブラック・ダリア

ブライアン・デ・パルマ久々の作品『ブラック・ダリア』(2006)は、フィルム・ノワールの傑作に仕上がっている。1946年から47年のロスが舞台。二人の刑事バッキー(ジョシュ・ハートネット)と、リー(アーロン・エッカード)は、惨殺された女優志望のエリ…

腐女子化する世界

杉浦由美子『腐女子化する世界 東池袋のオタク女子たち』(中公新書ラクレ,2006.10)を読む。小説や漫画・アニメにしても、通常は読者が登場人物に感情移入して読む。ところが、「腐女子」と呼ばれる「オタク女子」は、「自分探し」だの「自己実現」とは全く…

マッチポイント

この30数年間、一年に一本コンスタントに映画を撮り続けている作家がいる。ウディ・アレン。彼は俳優=コメディアンとして、脚本を兼ねる映画監督だけではなく、小説も書く才人として知られている。 ウディ・アレンの映画は、ユダヤ系ジョークに満ちた一種パ…

図書館のプロが教える<調べるコツ>

浅野高史+かながわレファレンス探検隊/編集『図書館のプロが教える<調べるコツ> 誰でも使えるレファレンス・サービス事例集』(柏書房,2006.9)が有用かつ読み物としても面白い。まずは、関心のある分野について通読してみると、回答に到達する手順を、時…

図書館は本をどう選ぶか

安井一徳『図書館は本をどう選ぶか』(勁草書房,2006.9)は、安井氏の卒業論文を基にした本であることにまず驚いた。著者は、現在国立国会図書館勤務。 図書館は本をどう選ぶか (図書館の現場 5)作者: 安井一徳出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2006/09/08…

ドゥルーズ『シネマ2』

ジル・ドゥルーズ『シネマ1(Cinema 1: L'image-mouvement 』(1983) と『シネマ2(Cinema 2: L'image-temps )』(1985) の2冊の翻訳を待つこと20年以上となった。法政大学出版局から、この10月下旬に宇野邦一訳『シネマ2−時間イマージュ』が刊行されるら…

文学全集を立ちあげる

「文学全集」が発行されなくなって久しい。かつてはどこの家庭でも、応接間や居間に「○○文学全集」全○巻がどんと居座っていた。今そのなごりが、古書店で全集の端本として売られている。講談社、筑摩書房、新潮社、集英社、小学館等々、各出版社がこぞって「…