2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

寡黙なる巨人

いまここに、「生と死」に関する本質論が記録された書物が二冊ある。多田富雄『寡黙なる巨人』と須原一秀『自死という生き方』の二冊。 寡黙なる巨人作者: 多田富雄出版社/メーカー: 集英社発売日: 2007/07/26メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 27回この…

シネマ 1*運動イメージ

待ちかねたドゥルーズ『シネマ 1*運動イメージ』(法政大学出版局、2008.10)を読了した。ドゥルーズ自身が言うように、本書と『シネマ 2*時間イメージ』は、映画史ではなく、映画の分類の試みと記している。映画は古典的なモンタージュによる「運動イメージ…

映画論講義

蓮實重彦『映画論講義』(東京大学出版会、2008)は、著者のほぼ30年前の『映像の詩学』(筑摩書房、1979)を反復し、談話体で書き直したと思える内容になっている。 映画論講義作者: 蓮實重彦出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2008/09/27メディア: …

追悼・緒形拳

俳優・緒形拳氏の訃報を聞き、衝撃を受けている。緒形拳の作品で一番印象深いのは今村昌平監督『復讐するは我にあり』(1979)になる。詐欺師で殺人者・榎津厳役は、緒形氏の役者人生において、演じる役の幅を広げたという意味では画期的な作品だった。同じ…