2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

”劇的”とは

「ことば」について立ち止まっていた。あるいは「書く」ことについてと言ってもいいだろう。誰もが「書く」ことができるネットの世界とは、「ことば」を安易に用いてしまう。拙ブログも例外ではない。不用意に用いた「ことば」によって、読む人に誤解を与え…

ニッポンの小説 百年の孤独

高橋源一郎が『文學界』に一年半連載した評論ともエッセイとも、あるいは小説そのものとさえ形容できる『ニッポンの小説 百年の孤独』(文藝春秋,2007)が一冊にまとめられた。一気に読了した。帯には、「日本文学史上はじめての根源的小説論!」と記されて…

私小説という人生

およそ私小説に縁がなかったはずの秋山駿が、『私小説という人生』(新潮社,2006)を刊行した。読了。 私小説という人生作者: 秋山駿出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/12メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (13件) を見る 「…

そうかもしれない

耕治人の命終三部作が収録された『そうかもしれない』(武蔵野書房,2006)を読了。長年連れ添った妻は、認知症となり先にホームへ入居し、後に、耕治人はガンのため入院する。入院中に最後の作品「そうかもしれない」を執筆する。入院中であり、しかも命に…

シネマ2*時間イメージ(続々)

『朝日新聞』2007年1月7日(日)の書評欄に、中条省平がドゥルーズ『シネマ2*時間イメージ』について、「映画手法の転換 作り手の苦闘の物語」と題して掲載された。 シネマ2*時間イメージ (叢書・ウニベルシタス)作者: ジルドゥルーズ,宇野邦一,江澤健一郎…

階級関係-カフカ「アメリカ」より

ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ『階級関係-カフカ「アメリカ」より』(Klassenverhaeltnisse, 1986)をDVDで観る。原題は「階級関係」。『階級関係』は、カフカ原作の映画化では、最も成功した作品とされる。ストローブ=ユイレのミニマム・…

思想とはなにか

吉本隆明に笠原芳光が質問するかたちの対談『思想とはなにか』(春秋社)読了。詩歌から、近代文学、宗教へと二人の対話が進む。 思想とはなにか作者: 吉本隆明,笠原芳光出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2006/11/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を…