2018-01-01から1年間の記事一覧

「ブログ」の引越し

はてなダイヤリーからの引越しブログです。 年末に慌ただしく開設しました。 旧「整腸亭日乗」を「新・整腸亭日乗」に変更します。 従来どおり、映画や読書を中心に覚書を記録しておくことが目的です。 (「はてなダイアリー」から「はてなブログ」への<イ…

未読了の図書2018

2018年に購入して、一部読みかけの図書、読み終わっていない図書・10点を記録しておきたい。 1.長谷川郁夫『編集者 漱石』(新潮社,2018.06)編集者 漱石 [ 長谷川 郁夫 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > 文学 > その他ショップ:…

19世紀ロシア文学

19世紀ロシア文学とは、ドストエフスキー、トルストイ、チェーホフ、ゴーゴリなどの作家の作品群である。革命以前の作家達だ。革命に遭遇し亡命したブーニンは20世紀の作家として当該範疇には属しない。また革命に翻弄されたゴーリキも含まないものとする。1…

映画ベストテン2018

今年、映画館のスクリーンで観た映画は113本。久々の100本超えだった。 例によって『キネマ旬報12月下旬号』に依拠して、外国映画、日本映画それぞれのベストテンを以下に記す。 【外国映画】1.スリー・ビルボード(マーティン・マクドナー〉 2.ボヘミアン…

寝ても覚めても

濱口竜介の商業映画第一作『寝ても覚めても』(2018)が、雑誌『ユリイカ』で特集されるなど、今の若手監督では最も注目すべき作家だろう。2015年に公開された『ハッピーアワー』は、素人俳優がロカルノ映画祭で4人が主演女優賞を獲得したことで話題となって…

胃弱・癇癪・夏目漱石

漱石研究には、作家論、作品論等、いわば本流の作家研究があり、一方、漱石の私生活や恋愛などに主体的アプローチする批評がある。 胃弱・癇癪・夏目漱石 持病で読み解く文士の生涯 (講談社選書メチエ)作者: 山崎光夫出版社/メーカー: 講談社発売日: 2018/10…

今夜はひとりぼっちかい?日本文学盛衰史戦後文学篇

今夜はひとりぼっちかい? 日本文学盛衰史 戦後文学篇作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2018/08/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る日本文学盛衰史 (講談社文庫)作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/06/15…

原民喜

梯久美子『原民喜ー死と愛と孤独の肖像』(岩波新書,2018)を読む。梯久美子さんの、対象の選択の見事さと資料収集の適確さに、読者は魅了される。前回の、『狂うひと ─「死の棘」の妻・島尾ミホ』(新潮社,2016)に続き、ノンフィクション作家の面目躍如た…

充たされざる者

2017年ノーベル文学賞受賞者、カズオ・イシグロ。彼の作品は、映画化された『日の名残り』と『私を離さないで』二本を観ただけであった。ノーベル文学賞受賞という栄誉に輝いている作家は読みたくない。しばらくの猶予を置いて、『日の名残り』から読み始め…

犬ヶ島

ウェス・アンダーソン監督、パペットアニメーション『犬ヶ島』(Isle of Dogs,2018)には、映画作りの巧さが随処に見られ、感動アニメの部類に入る。ベルリン銀熊賞受賞作品。 新品DVD!【犬ヶ島】 Isle of Dogs!<ウェス・アンダーソン監督作品>ジャンル: C…

ゴーゴリ作品

後藤明生作品からゴーゴリに関心が移る。著名な作品は一度は読んでいるが、『ゴーゴリ全集04戯曲』で「検察官」や「結婚」「芝居のはね」などを、岩波文庫、講談社文芸文庫、光文社新訳古典文庫で「外套」「鼻」「ネフスキー大通り」「狂人日記」「肖像画」…

モラン神父

ジャン=ピエール・メルヴィル監督特集上映で、7本の映画を観た。短篇『ある道化師の24時間』のみ未見であった。二人の道化師の24時間を追うドキュメンタリー。年老いた道化師の生活ぶりには、哀愁がただようものだが、一種のユーモアを織り込み凝縮された…

壁の中

後藤明生著『壁の中』(つかだま書房,2017.12)が、新装普及版として2017年末に刊行された。2018年最初の購入本。読むことができなかったポストモダンの傑作を、楽しみながら読む。国書刊行会の『後藤明生コレクション』にも、収録されていなかった幻の小説…

みすず読書アンケート2018

みすず書房から毎年発行されている、『みすず』2018年1・2月号は、読書アンケート特集である。毎年楽しみにしているが、今年も早速、確認してみたい。「みすず読書アンケート」の読み方として、誰がどんな本を選出しているかと、自身が読んだ本が取り上げら…

右であれ左であれ、思想はネットでは伝わらない。

坪内祐三『右であれ左であれ、思想はネットでは伝わらない。』(幻戯書房 (2017.12)は、著者にとって三冊目の評論集と言う。『ストリートワイズ』(晶文社,1997)、『後ろ向きで前へ進む』(晶文社,2002)に続く三冊目ということだが、小生にとって『慶應…

松山子規事典

昨年2017年は子規・漱石生誕150年だった。坪内稔典『正岡子規』(岩波新書)、柴田宵曲『評伝 正岡子規』(岩波文庫)、復本一郎『正岡子規 人生の言葉』(岩波新書,2017)、森まゆみ『子規の音』(新潮社,2017)など子規関係書を読む。昨年が子規・漱石生…