ゴーゴリ作品
後藤明生作品からゴーゴリに関心が移る。著名な作品は一度は読んでいるが、『ゴーゴリ全集04戯曲』で「検察官」や「結婚」「芝居のはね」などを、岩波文庫、講談社文芸文庫、光文社新訳古典文庫で「外套」「鼻」「ネフスキー大通り」「狂人日記」「肖像画」などを読む。
- 作者: ニコライゴーゴリ,吉川宏人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/02
- メディア: 文庫
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ドストエフスキーは「私たちはみんなゴーゴリの『外套』の中から出てきた」と『作家の日記』に書いている。
- 作者: N.ゴーゴリ,横田瑞穂
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1983/01/17
- メディア: 文庫
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『外套』『鼻』『狂人日記』『肖像画』などの中篇、『検察官』『結婚』などの戯曲、岩波文庫で『死せる魂』の長編小説を読み、改めてゴーゴリの偉大さを認識した。
イワーン・イワーノウィッチとイワーン・ニキーフォロウィッチとが喧嘩をした話 (岩波文庫)
- 作者: ゴーゴリ,原久一郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1928/11/30
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復刊された『イワン・イワノヴィッチとイワン・ニキーフォロウィッチとが喧嘩した話』は、全集版02に収録された『ミールゴロド』の中の一編である。田舎貴族のイワンとイワン、隣同士が裁判にまで発展する諍い。笑いを誘うような文章の運びに、いかにも「外套」「鼻」の作家であることを知らされる。岩波復刊本で読んだが、昭和3年刊行以後、改訳などを経ていないので読みにくいが、ゴーゴリ的世界の味わいは変わらない。アカーキイ・アカーキエウィッチやイワン・イワノヴィッチなど名前が、奇妙な符合を感じさせ、命名が絶妙と言えるだろう。
ゴーゴリについて語ることは難しい。通説を反復することか、あるいは新しい読みなど出来ない。とすれば何故いまゴーゴリなのか。19世紀初めのロシアを、リアリズムというより、デフォルメした形で表現していることか。
- 作者: ゴーゴリ,浦雅春
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/11/09
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アカーキイ・アカーキエウィッチが外套を新調し、その外套が盗難に会うことでの経緯を、ユーモア溢れる文体で読者を巻き込む手法は、秀逸であるし、『検察官』に間違えられたフレスタコーフは、その「権力」を駆使して、有力者たちから金を巻き上げる。喜劇であると同時に、悲劇でもあり得る。
- 作者: N.ゴーゴリ,平井肇,横田瑞穂
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1977/03/16
- メディア: 文庫
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- 作者: N.ゴーゴリ,平井肇,横田瑞穂
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1990/02/01
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- 作者: N.ゴーゴリ,平井肇,横田瑞穂
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1977/07/18
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『死せる魂』のチチコフは、死亡した農奴の名簿を購入することで、蓄財できるとの法律の裏側で稼ぐために、田舎貴族達のもとを廻ることになる。名簿をもとにした詐欺は、いわば近代的な犯罪の始めであろう。滑稽な登場人物たちは、19世紀初期ロシアの農村に居たであろう人物を描写している。
- 作者: ウラジーミルナボコフ,Vladimir Nabokov,青山太郎
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1996/02/01
- メディア: 新書
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ウラジーミル ナボコフによる評伝『ニコライ・ゴーゴリ』 (平凡社ライブラリー,1996)では、『検察官』および『死せる魂第一部』『外套』を対象にとりあげている。実際、『死せる魂』第二部は、ゴーゴリの手によって焼却されたが、辛うじて残された原稿が活字化されたもので、作品対象から除外すべきという意図には賛同する。第一部だけで十分に、ロシアの田舎風景が視えてくる。
ナボコフは、『検察官』を「ロシア語で書かれたもっとも偉大な戯曲である」と評価し、『外套』については、翻訳の問題や幽霊に言及し、「最も貴重な情報の一片、この物語の骨組みをなす主要観念が、ここでゴーゴリによって慎重に仮面をかぶせられている(なぜならあらゆる現実は仮面であるから)」と記述する。『死せる魂』における翻訳の問題とは、ロシア語から英語に移すことの困難さを自らの翻訳を示すことで、poshlostなる言葉を象徴的にとりあている。
ナボコフは、『ニコライ・ゴーゴリ』の中で、『検察官』『死せる魂』『外套』のあらすじについて触れていない。編集者は、梗概が必要であることを申し出たことに対して、巻末に「年譜」を付し対応している。
- 作者: ニコライ・ワシーリエヴィチゴーゴリ,船木裕
- 出版社/メーカー: 群像社
- 発売日: 2001/10
- メディア: 単行本
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ゴーゴリ作品を読んで来たが、『検察官』が抜群に面白い。権力への追従や、金品を渡しておもねること、へつらいなど、近代貨幣社会の権力構造を視るための格好の題材を提供している。どこかで視た光景。この戯曲が現時点での<私的ベスト>になる。
ゴーゴリ全集〈第1巻〉ガンツ・キュヘリガールテン,ディカーニカ近郷夜話 (1977年)
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1977/06
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- 作者: ゴーゴリ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1976
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