2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

街場の教育論

内田樹『街場の教育論』(ミシマ社、2008)には、近年注目されているユビキタス教育を批判してる個所がある。いつでも、どこでも受けられるウェブ大学なるものとは、通販の論理であるという。つまりカタログにない商品は購入できないのと同様、開講科目にな…

ハッピーフライト

やむを得ない事情がないかぎり飛行機には乗りたくない。仕事上の出張や、自ら望んで行く旅行以外では、飛行機は避けたい乗り物だ。私たちが飛行機に乗るとき、せいぜいCS(キャビンアテンダント)の女性たちや、地上勤務のGS(グランドスタッフ)の女性…

日本語が亡びるとき

梅田望夫氏がブログで取り上げたからというわけではなく、漱石の続編『続明暗』(筑摩書房、1990)が旧字・旧かな文字によって書かれて以来、『私小説』(新潮社、1995)、辻邦生との往復書簡共著『手紙、栞を添えて 』(朝日新聞社、1998)、『本格小説』(…

読むので思う

荒川洋治『読むので思う』(幻戯書房、2008)は、本を読むことに関する様々な話題に触れていて、実に楽しい読み物になっている。 読むので思う作者: 荒川洋治出版社/メーカー: 幻戯書房発売日: 2008/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 16回この商品を含…

なにもかも小林秀雄に教わった

木田元『なにもかも小林秀雄に教わった』(文春新書、2008)を、タイトルに魅かれて購入した。 なにもかも小林秀雄に教わった (文春新書)作者: 木田元出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/10/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 50回この商品を含むブロ…

定本久生十蘭全集

久生十蘭『湖畔/ハムレット』(講談社文芸文庫、2005)の短編群には打ちのめされた。まず、華麗で精緻な彫琢された文体に魅せられる。現在の小説家では、とても表現できない語彙や技巧に満ち満ちている。また、作品内容が一作ごとに異なるのに、驚いた。直木…