実物を見ておきたい絵画


グリーナウェイレンブラントの夜警』に触れたとき、この絵画の実物を見ていないことが切実になった。人生の時間は限られている。内村剛介『見るべきほどのことは見つ』(恵雅堂出版,2002.6) という書物があったが、本に関しては「読むべき本は読んだ」という段階にほど遠いけれど、絵画はできれば見るべきものは実物を見ておきたい。


見るべきほどのことは見つ

見るべきほどのことは見つ

恋するフェルメール―36作品への旅

恋するフェルメール―36作品への旅


有吉玉青『恋するフェルメール』(白水社、2007.7)は、フェルメールの36作品を見に行く旅の話だ。ある画家の作品をすべてを見たい、いや見に行きたいという欲望こそ原点なのだろう。フェルメールは、「絵画芸術」(ウィーン美術史美術館)を見ておけばいいというのが私の場合であり、とりあえず、見ておきたい、見に行きたい絵画を以下にあげておく。


スペイン、オランダが未訪の地だ。


春の戴冠

春の戴冠


辻邦生『春の戴冠』(中公文庫、2008.4)がやっと刊行された。『春の戴冠』を読み、ボッティチェルリの「春」「ヴィーナスの誕生」を観るため、フィレンツェのウフィッツィ美術館を訪れたことを想い出した。

フィレンツェではメディチ家ゆかりの名跡や絵画などを堪能した。


フラ・アンジェリコの「受胎告知」(サンマルコ修道院)はフィレンツェでの大きな収穫だった。サンマルコ修道院の二階へ上がる階段の踊り場から見上げると「受胎告知」が迫ってきた。




ウィーン美術史美術館は、名画の宝庫だ。




ルーブル美術館は言うまでもない。走りながら見てきたのが今振り返ると残念だった。


有吉玉青のように、フェルメールを追いかける意思はないが、スペインとオランダは行っておきたい国だ。ご覧のように近代絵画は含まれていない。近代絵画への関心を高くもてないことがその理由であるが、ゴッホシュルレアリスムには惹かれるものがあることを申し添えておきたい。


小林秀雄全作品〈20〉ゴッホの手紙

小林秀雄全作品〈20〉ゴッホの手紙

シュルレアリスム、あるいは痙攣する複数性

シュルレアリスム、あるいは痙攣する複数性


絵画と音楽は、書物の世界とは別であり、見るあるいは聞くことで感銘を受けることができる稀有の芸術だと思う。


怖い絵

怖い絵


とりわけ今の私にとって、幸田浩子のCD『モーツァルト:アリア集』は聴くことの歓びをもたらしてくれる。ソプラノの美声がきわめて心地良いのだ。


モーツァルト:アリア集

モーツァルト:アリア集