岡本喜八監督死去


映画監督・岡本喜八氏の訃報を聞く。享年81歳。
東宝時代から良い意味での職人的監督であった。
撮影所時代を経験している監督さんがまた一人少なくなった。

〈映画評論家・山根貞男さんの話〉 テンポの良い活劇の中に、自らの戦争体験が微妙に影を落としている。そんな「明るいニヒリズム」とでも呼ぶべきものが根っこを貫いていた。映画の黄金時代に登場し、独特の感覚で作品を発表していたが、驚くのは、映画が斜陽になった70年代以降も遺作に至るまで、そのスタンスが全く揺るがなかった点だ。本当に性根の据わった監督でした。 (asahi.comから引用)


遺作が『助太刀屋助六』であったとは、残念な思いが強い。細身の黒づくめのスタイルで、およそ死を想像させない力業があった監督さんだった。長編39本を撮ったが、フィルモグラフィで確認してみると、14本を観ていた。
『独立愚連隊』『日本のいちばん長い日』『肉弾』『座頭市と用心棒』『ダイナマイトどんどん』『ジャズ大名』『大誘拐』『EAST MEETS WEST』などが印象に残る。90歳を過ぎてなお活躍しているスペインのオリヴェイラ監督から推測して、岡本氏も90歳を過ぎても、映画を創りつづけるものと思い込んでいた。岡本喜八監督の作風を一言にていえばアナーキーな痛快さ」と形容したい。合掌。


岡本喜八監督作品

助太刀屋助六 [DVD]

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ダイナマイトどんどん [DVD]

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ジャズ大名 [DVD]

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