2006-11-26から1日間の記事一覧

紙屋悦子の青春

黒木和雄の遺作『紙屋悦子の青春』を観る。1945年3月から4月ころの鹿児島県地方の紙屋家の日常風景が、戦争そのものを描くのではなく、戦闘行為を一切画面に出さずに描く手法は、黒木氏の『TOMORROW/明日』(1988)と同様。異なるのは、冒頭病院の屋上で原…

麦の穂をゆらす風

ケン・ローチのカンヌ映画祭・パルムドール受賞作『麦の穂をゆらす風』(The Wind that shakes the barley, 2006)を観る。1920年代のアイルランド独立戦争を、南部コークの人々に焦点をあてて描く。この監督ならではの手法、ドキュメンタリータッチの直球勝負…

戦争映画の差異、リアリズムの頂点

戦争を描きながら、そのスタイルにおいて全く対照的な映画二本を続けて観た。ケン・ローチ『麦の穂をゆらす風』と黒木和雄『紙屋悦子の青春』。戦争に正義はない、しかし・・・