街場の戦争論
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: ミシマ社
- 発売日: 2014/10/24
- メディア: 単行本
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内田樹『街場の戦争論』(ミシマ社,2014)が、当該問題についての本質的な見解を示している貴重な内容になっている。とりわけ、第三章「株式会社化する日本」が、圧巻の迫力であり、自民党の憲法草案の奇妙な発想について、その根底にある精神を剔抉している。
僕たちが今いるのは、二つの戦争つまり「負けた先の戦争」と「これから起こる次の戦争」にはさまれた「戦争間期」に固有のものではないのか。その軽薄さも、その無力感の深さも、その暴力性も、いずれも二つの戦争の間に宙づりになった日本という枠組みの中に置いてみるとなんとなく納得できるような気がする。(p3-4)
安倍政権は、恣意的政権運営により、憲法を無視して「集団的自衛権行使」を閣議決定した。この是非を問うだけでも、今回の大義なき解散に対して、安倍政権の2年に、「否」を突き付けるのが、庶民のささやかな意見表出である、と思う。