内田樹の大市民講座
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2014/11/20
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (4件) を見る
内田樹『内田樹の大市民講座』(朝日新聞出版,2014)の「首相の欺瞞的な構文」のなかでも以下のように指摘している。
2014年7月1日は、日本が戦後69年間掲げてきた平和主義を捨てて、戦争への道を歩み始めた歴史的日付として記憶されることになるだろう。(p204)
これまで日本が集団的自衛権を禁止してきたことで日本はどのように戦争に巻き込まれてきたのか。
集団的自衛権を行使しなかったせいで国民が死傷し、国土を奪われ、国富を失ったどのような事例が存在するのか。あれば、それを示して欲しい。・・・一国の首相が国是の大転換に際して欺瞞的な構文でしか語れないことに日本の政治の深い闇をみる。(p205)
集団的自衛権の行使容認の閣議決定について、その本当の意味が解るのは、これから起きる戦争においてである。自民党のみならず、平和を党の主義主張とする公明党もこの閣議決定に参加していることで同罪であることは申すまでもあるまい。嘆かわしいことだ。
この度の自民・公明党の、党利党略による解散には多くの国民が反対であるという。であれば、せめて与党自公に投票しない選拓肢が、12月の唐突な選挙実施への抗議になるだろう。
かつて丸山眞男が「集団的自衛権」を<言葉の欺瞞>であると喝破した。丸山氏は、21世紀の予測をしたわけではないが、右傾化するこの世紀に対する警告として受け止めたい。