みすず読書アンケート2013


毎年『みすず』の1月・2月合併号は、前年度の「読書アンケート特集」であり、楽しみにしていた。しかしながら、率直に云って、書物の収穫とは、個人的なものであり、多くの専門家が揃って推薦している本の価値とは何か。価値とは、読者が納得できてしかも感銘を受けるた本ではないのか。

特に、関心のある回答者が、どんな本を読み、どのようなコメントを付しているか、そのような視点から今回は「読書アンケート2013」を読んでみた。

武藤康史
2.山田宏一トリュフォーの手紙』平凡社、七月刊
 手紙を使いこなした伝記。大教養人ならではの書き方。今日における散文芸術の最高峰とも申したい。
4.大沼晴暉『図書大概』汲古書院、11月刊
 壮大なスケールで書かれた書誌学の手引き。人を欺く地味な題、中は血沸き肉踊る文体。
 近代の本しか手に取らないような御仁でもせめて「図書の調べ方」の章を読んでから図書館に行くべきだ。(82頁)


トリュフォーの手紙

トリュフォーの手紙


実は、この二冊は手元にあり、評者のコメントに納得。