みすず読書アンケート2015
毎年この時期の恒例。みすず書房『みすず2015年1・2月』(みすず書房,2015.2)には、前年度の読書から5点以内を回答するもので、読書家、書物愛好家にとって見逃せないアンケートである。
5人から推された図書が1冊、4人からは2冊。それぞれ以下に*1書影を示す。
互盛央『言語起源論の系譜』講談社,2014 5人
- 作者: 互盛央
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/05/23
- メディア: 単行本
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加藤典洋『人類が永遠に続くものではないとしたら』新潮社,2014 4人
- 作者: 加藤典洋
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/06/27
- メディア: 単行本
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富士川義之『ある文人学者の肖像 評伝・富士川英郎』新書館,2014 4人
- 作者: 富士川義之
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2014/03/04
- メディア: 単行本
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以下は、3名から推挙された図書7冊。
グレン・グリーンウォルド著,田口俊樹[ほか]訳『暴露ースノーデンが私に託したファイル』新潮社,2014
- 作者: グレン・グリーンウォルド,田口俊樹,濱野大道,武藤陽生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/05/14
- メディア: ペーパーバック
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長谷川郁夫『吉田健一』新潮社,2014
- 作者: 長谷川郁夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/09/30
- メディア: 単行本
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ジョルジョ・アガンベン著,上村忠男・太田綾子訳『いと高き貧しさ 修道院規則と生の形式』みすず,2014
松浦寿輝『明治の表象空間』新潮社,2014
- 作者: 松浦寿輝
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/05/30
- メディア: 単行本
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- 作者: 吉川浩満
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2014/10/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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山田宏一・蓮實重彦『トリュフォー最後のインタビュー』平凡社,2014
この7冊の内、3冊は読了または、半分以上読んでいる。蓮實重彦氏の2冊は拙ブログで昨年とりあげたので、省略する。
栗田彬氏が挙げている、漱石『趣味の遺伝』(明治39年)は、メタ戦争小説であるとの解釈は、新鮮であった。
同じ栗原氏が、アガンベンの『いと高き貧しさ』について、
- 作者: ジョルジョ・アガンベン,上村忠男,太田綾子
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2014/10/25
- メディア: 単行本
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聖フランチェスコら托鉢修道者に「所有」せず、法権利の外で「使用」して生きる「生の形式」・政治の身振りを探究して、現代の大量消費社会に生き方の問いをつきつける。(p108)
と評価している。聖フランチェスコに関して、アッシジを訪れたことがあり、清貧な生活ぶりに驚いたものだが、中世的な禁欲生活が、大量消費社会への、直接的な批判に直結させることは難しいと云うのが、私の思いだ。
印象に残ったことばとして、勝俣誠氏は、恐るべき真実を突いている。
教養とは戦争しないことだと実感した年であった。社会科学でモノゴトを考えてきた私にとって、国内的には格差を放置し、対外的には自国の自慢話に精力的になる政治が続いたら、社会は一体どこへ行きつくのか心配になった。(p111)
- 作者: トマ・ピケティ,山形浩生,守岡桜,森本正史
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2014/12/06
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そこで、トマ・ピケティ『21世紀の資本』(みすず書房,2014)を紹介している。本書の出版は、12月であり、アンケート締め切りからいえば、2名が推薦しており、来年の収穫に向けての予告となっている。実際、今年に入り、ピケティの講義が「Eテレ」で6回に渡り放映されているところであり、また、1月末には来日し、講演をしている。
大切なのは、こどもたちを飢えさせないことと、「子供の教育」である。
*1:2015年2月3日追加修正しました。重要な本を2冊追加します。