小林秀雄とウィトゲンシュタイン


中村昇『小林秀雄ウィトゲンシュタイン』(春風社、2007)は、久々に刺激的な書物となりそうだ。

言葉というものは、「贋物」とでもいうべき性質を、その本質としてもつ。たとえば言葉は、ある対象を指示するといわれる。しかし、言葉そのものは、決して対象と一致することはない。一致したら、指示することもできなくなる。対象とつかず離れず、これが言葉のあり方だ。(p.7)


小林秀雄とウィトゲンシュタイン

小林秀雄とウィトゲンシュタイン

言葉と対象とは何の関係もないのだけれど、言葉が対象(連続)に働きかけることによって、「対象」(非連続)が現れる。この言葉のもと、虚を実にする力こそ、小林秀雄の中心のテーマだった。(p.8−9)


むむ、面白そうではないか。早く読みたいが、時間がない。