クラッシュ
- 出版社/メーカー: 東宝
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ポール・ハギス監督。第一作でアカデミー賞・作品賞受賞という快挙をなしとげた。『クラッシュ』(Crash, 2005)は、アメリカ社会の人種問題を正面から描きながら、登場人物がそれぞれ、別の一面を持つことが、徐々に示される手法が見事であり、一見、多民族国家であるアメリカの人種問題を、ロスという限定された場所で、36時間の間に「クラッシュ(衝突)」しながら、人間の二律背反的側面を剔抉している。クローネンバーグに同名の『クラッシュ』(Crash, 1996)があり、その変奏かと思いきや、「『アンサンブル・プレイ』のスタイル」(粉川哲夫)に徹していた。
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
- 発売日: 1999/04/02
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人種問題を告発しながら、でも、人間の根底にはヒューマニズムがあるといういわば「性善説」に落ち着く。『クラッシュ』は、クローネンバーグからタイトルを借用し、『グランドホテル』(1932)形式を踏まえた伝統にもとづく作風であり、新しい手法に見えるけれど、実はきわめてハリウッド的なフィルムなのである。
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
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小説は19世紀西欧で既に絶頂期を迎えている。映画は19世紀に誕生し、20世紀前半にハリウッドで黄金時代を迎えた。21世紀は映画にとって「変奏の時代」である。この3本の映画を観て、21世紀が「変奏の時代」であることが明らかになりつつあることを感じた。