バレエ・カンパニー
ロバート・アルトマンといえば『M★A★S★H』(1970)が代表作で、『ウェディング』(1978)『ザ・プレイヤー』(1992)『ショート・カッツ』(1993)など、登場人物の多さ、俗に群像劇と呼ばれる作品が目立つ。
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『バレエ・カンパニー』(The Company, 2003)は、群像劇でありながらも、ジェフリー・バレー・オブ・シカゴを舞台に、バレエダンサーを目指す若者たちの姿を、ドキュメンタリー風に撮ったフィルム。
一応、主役らしきネーヴ・キャンベル(『スクリーム』シリーズ)とジェームズ・フランクが、恋人同士として設定されているが、必ずしも二人が中心ではない。バレエ・カンパニーの実質的経営者であるミスターAことマルコム・マクダウェル。『時計じかけのオレンジ』の青年が、白髪となって登場している。ミスターAは、ベテラン・ダンサーにも容赦しない。それ以上に振付師の権威は、絶対である。多くのダンサーたちは、常に、真剣勝負で練習から舞台までこなしている。バレーが、これほど迫力があり、面白いものだとは思わなかった。男女とも鍛えぬかれたスリムな肉体。ボディビルではなく、練習によって鍛えた肉体は、美しく輝いている。
ネーヴ・キャンベルは代役として、「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」を嵐の野外劇場で踊るシーンは圧巻であった。もちろん、それ以外の様々なバレエ・シーンは、刺激的であり、また前衛的でもある。ラストの「青い蛇」に至り、バレエとはここまでできるという可能性が示されている。バレエの表舞台と裏舞台の双方を覗き見ることができるのが映画のいいところだ。
ドキュメンタリーとは言っても、ドラマが巧みに仕掛けられている。クリスマスパーティでは、これまでのミスターAや振付師たちのパロディが演じられる。このあたりは、さすがアルトマンの演出の冴えるところだろう。
ロバート・アルトマン、79歳の作品。90歳を超えて精力的に映画を撮っているポルトガルのマノエル・デ・オリヴェイラがいる。アルトマンは、まだまだ、撮り続ける力ありとみた。
『バレエ・カンパニー』の公式ホームページ
http://www.thecompany.jp/
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