眼に映る世界


眼に映る世界―映画の存在論についての考察 (叢書・ウニベルシタス)

眼に映る世界―映画の存在論についての考察 (叢書・ウニベルシタス)


スタンリー・カヴェル著、石原陽一郎訳『眼に映る世界ー映画の存在論についての考察』(法政大学出版局、2012)は、ドゥルーズ『シネマ』と双璧をなす哲学者による映画論というキャッチコピーに惹かれて読み始めた。

「視角と音」〜「類型的人物、シリーズ、ジャンル」の第2章から5章までが、映画の教科書に収録されていると訳者解説に記述されている。

この部分だけ読めば、カヴェルはパノフスキーアンドレ・バザンを援用しながら、絵画・写真と映画の差異に注目し、メディウムとしての映画をどのように規定すればいいのかを逡巡しながら言及している。

アメリカの歴史は、200年を超えるが、欧州に較べるときわめて短い。そのためハリウッド映画が、哲学倫理上の指標となり得るとして、類型化された人物、ジャンルの中から規範を見出そうとしているようだ。

なお『眼に映る世界』は、現在読書継続中である。