2008映画ベストテン
2008年に映画館で観た映画は、82本。これまで100本を年間目標にしてきたが、今年から80本に下げた。目標を下げたので、何とかベストテンの選出ができそうだ。
【日本映画】
- 「トウキョウソナタ」(黒沢清)
- 「おくりびと」(滝田洋二郎)
- 「実録・連合赤軍」(若松孝二)
- 「ハッピーフライト」(矢口史靖)
- 「靖国」(リ・イン)
- 「百万円と苦虫女」(タナダユキ)
- 「歩いても歩いても」(是枝裕和)
- 「スカイクロラ」(押井守)
- 「たみおのしあわせ」(岩松了)
- 「ぐるりのこと」(橋口亮輔)
- 「崖の上のポニョ」(宮崎駿)
- 次点「落語娘」(中原俊)
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その他:「母べえ」(山田洋次)、「M](廣木隆一)、「アキレスと亀」(北野武)。
日本映画の制作が2年連続400本を上回ったそうだ。量は質を凌駕するのか。なるほどかつての日本映画全盛期は、量産された故に、質的に高い作品が生まれた。小津安二郎、溝口健二、成瀬巳喜男などの作品群がそうだった。しかしいま、日本映画が健闘している。10本に絞るのに苦労するくらいだ。10本リストアップすることが困難な年があったことを思えば、量産される時代だからこそ、良質の作品が制作されていることは確かだ。
黒沢清「トウキョウソナタ」の緊迫感に満ちた日常風景。これまでホラーを撮ってきた黒沢清がホームドラマを撮れば、普通のドラマに終わるわけがない。出色のフィルムというべきか。
【外国映画】
- 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(ポール・トマース・アンダーソン)
- 「ノーカントリー」(ジョエル=イーサン・コーエン)
- 「フィクサー」(トニー・ギルロイ)
- 「ヒトラーの贋札」(ステファン・ルツォヴィツキー)
- 「潜水服は蝶の夢を見る」(ジュリアン・シュナーベル)
- 「ブーリン家の姉妹」(ジャスティン・チャドウィック)
- 「ある愛の風景」(スザンネ・ビア)
- 「シュテーム・アップ」(マイケル・デイビス)
- 「告発のとき」(ポール・ハギス)
- 「ブレス」(キム・ギドク)
- 次点「ウォンテッド」(ティムール・ベクマンベトフ)
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その他として、
「スイートニー・トッド」(ティム・バートン)、「ダークナイト」(クリストファー・ノーラン)、「スル−ス」(ケネス・ブラナー)、「マイブルーベリーナイツ」(ウォン・カーウァイ)「ラスト・コーション」(アン・リー)、「アメリカン・ギャングスター」(リドリー・スコット)、「アウエイ・フローム・ハー」(サラ・ポリー)、「レンブラントの夜警」(ピーター・グリナウェイ)など。
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「いのちの食べかた」(ニコラウス・ゲイハルター)は今年観たのだが、公開が2007年秋なので外すことにした。実は今年見た映画で、このドキュメンタリーがダントツのベストワンであった、皮肉なことだ。
外国映画、特にアメリア映画に覇気がない。金融不況のせいではあるまいが、不況のときこその映画ではないか。外国で制作される映画すべてが輸入公開されるわけではない。アメリカ以外の多くの国で映画が作られている。見ていない映画に想像をめぐらしながら。
■封切り映画以外に、DVD発売され初めて観ることができるようになった作品として。
◎『ロベール・ブレッソンDVD−BOX』(紀伊国屋書店)
ロベール・ブレッソン DVD-BOX 1 (ジャンヌ・ダルクの裁判/湖のランス口/たぶん悪魔が)
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日本未公開だった『湖のランスロ』(1974)『たぶん悪魔が』(1977)を観ることができた。映画館で観る映画のハードルを下げたのは、DVDによる旧作を観るためでもある、と言い訳ができる。
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名前のみ語られてきた映像作家・舞台演出家サッシャ・ギトリの日本初DVD化。これを契機に他の作品もDVD化をと期待する。
◎『清水宏監督作品集第一・二集』(松竹)
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小津安二郎・成瀬巳喜男・溝口健二の同時代人。『按摩と女』のリメイクを契機に、DVDーBOXとして発売された。このように日本映画の遺産の大きさを証明する一貫として、更なるDVD化を希望する。