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タイガー&ドラゴン『子は鎹』

予定調和というか、それ以上に感動的な最終回だった。毎回、古典落語を下敷きに、ドラマを展開させる。『品川心中』から、3年が過ぎ、長瀬智也が刑務所から出所するシーン。仰ぎ気味のキャメラが、昂揚した気分に波長を合わせている。彼が、組へ顔を出すと…

タイガー&ドラゴン『品川心中』

2日間の出張から帰ると、ネット注文しておいた鈴木地蔵『市井作家列伝』(右文書院)が届いていた。早速目次を見ると、木山捷平・川崎長太郎・小沼丹・徳田秋声・耕治人・葛西善蔵・和田芳恵など、気になる作家の名前が並んでいる。じっくり読みたい。*1 市…

タイガー&ドラゴン『粗忽長屋』

『タイガー&ドラゴン』は、毎回、レベルの高い映像、ひねったクドカンの脚本、「落語」を現代に読み替える手腕に、舌を巻く面白さ。最近、これほど観ることの快楽を味わい、はらはらドキドキさせるドラマは、稀有な体験だ。 第九回は、シュールな古典落語『…

タイガー&ドラゴン『出来心』

今回の見所は、笑福亭鶴瓶の上方落語の実演だろう。さすが、ほんものの落語家だけのことはある。余裕と迫力があった。 様々な「出来心」が仕掛けられている。まずは、長瀬智也が岡田准一から教わる『出来心』を、師匠の西田敏行に尋ねられ、つい「出来心」で…

タイガー&ドラゴン『猫の皿』

荷風が落語家として、人生をスタートさせたことは上述した。落語は単なる江戸趣味ではない。その語り口のなかに、庶民の哀歓が内包されている豊潤な古典文芸だと思う。第7回の『猫の皿』は、短い話ではあるけれど、話のネタとしてクドカンは、いつも以上に…

タイガー&ドラゴン『明烏』

第6回は、おなじみの古典落語『明烏』をもとに、クドカン流に「換骨奪胎」している。林屋亭の師匠・西田敏行 の一番弟子・春風亭昇太がまじめすぎていまだに独身。舞台では、まず薬師丸ひろ子が、「負け犬」に関する口上を述べ、堅物の若旦那を不良の連中に…

タイガー&ドラゴン

宮藤官九郎脚本のTVドラマ『タイガー&ドラゴン』第5話「厩火事」を観る。通常はTVドラマなど観ないのだが、『真夜中の弥次さん喜多さん』を観て、そのハイテンポでシュールな面白さが、テレビではどうなのだろうか確認してみたくなった。 漫才コンビの…