タイガー&ドラゴン『品川心中』
2日間の出張から帰ると、ネット注文しておいた鈴木地蔵『市井作家列伝』(右文書院)が届いていた。早速目次を見ると、木山捷平・川崎長太郎・小沼丹・徳田秋声・耕治人・葛西善蔵・和田芳恵など、気になる作家の名前が並んでいる。じっくり読みたい。*1
- 作者: 鈴木地蔵
- 出版社/メーカー: 右文書院
- 発売日: 2005/05
- メディア: 単行本
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TVドラマ『タイガー&ドラゴン:品川心中』の放映時間に、かろうじて間に合った。『三枚起請』で始まった『タイガー&ドラゴン』も、最終回を控え、パターンにズレが生じてきた。最終回は『子は鎹』(別名『子別れ』)だから、「廓ばなし」で始まり、「廓ばなし」で締めるので*2、つじつまが合うことが予想される。id:tatarさんが、「落語の快楽へ」で、中沢新一の『アースダイバー』62頁を引用しながら、落語と廓について触れられている。実際、『子別れ』とは、ご隠居の弔いの帰りに大工職人の熊が、紙屑屋を廓に誘うところから始まる噺だ。
- 作者: 中沢新一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/06/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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どん兵衛:西田敏行に再入門した岡田准一は、今回、長瀬智也に替わって実話の落語を演じるところは、起承転結の「転」にあたるのだろう。長瀬智也は、鶴瓶組長への恩義を返すため、舎弟・塚本高史とともに、ウルフ商会の橋本じゅんへ仕返しに行き、長瀬智也が自ら警察に逮捕される。一方、伊東美咲の元の亭主が青森から上京し、岡田准一をやきもきさせる。伊東美咲はネット心中に巻き込まれ、辛うじて岡田准一たちに助けられる。その噺を、小竜としての岡田准一が長瀬智也風新作にアレンジして話をする。『品川心中』の後半にあたる部分が、中途半端になっている。それを、『子別れ』で収束させることになるのだろう。
『品川心中』は、二部構成の大作だが、それ以上に『子別れ』は三部構成の大作だ。落語では、酒に弱い熊さんが、廓通いのせいで妻子と別れる。最後は、子どもを中心に、夫婦がヨリをもどし再婚、めでたし、めでたしと終わる。でも、クドカンのことだから単純に『子別れ』のようなハッピーエンドにはしないのではないか。西田敏行と鶴瓶組長、岡田准一と伊東美咲、塚本高史と蒼井優の関係の行方。そして、何よりも、長瀬智也が落語家になるのかどうかは、脚本家のみぞ知る。乞うご期待、というところか。
『志ん生廓ばなし』(志ん生の噺5)の掉尾を飾るのは「子別れ」
- 作者: 古今亭志ん生,小島貞二
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/06/08
- メディア: 文庫
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