電車男はビルドゥングスロマンだ!(2005年6月7日追記)


電車男』現象とまでいえそうな過剰な反応が、ネット上に氾濫している。『電車男』とは何か。自立できないヲタク、「自分探し悲劇」(香山リカ)の結果なのだろうか。少なくとも、映画版では、山田孝之は見事にエルメスのおかげで自立できていた。また、ひきこもりの瑛太は、「電車男」の成長に影響を受け、自室から脱出することができた。会話のない夫婦・佐々木蔵之介木村多江は、コミュニケーションを回復した。そして、ヲタク三人組も、ファッションが変わり、新たな世界へ踏み出そうとしていた。つまり、映画版『電車男』とは、ビルドゥングスロマンとして、視ることが可能だろう。「きまじめなニート」(香山リカ)と形容しているが、ヲタクもある意味では、「きまじめ」すぎることが、社会参加を拒否しているといえるかも知れない。


電車男』現象が、ヲタクや「きまじめなニート」が、山田孝之瑛太が出来たように、もっと肩の力を抜いて気楽に社会へ出ようという気にさせるならば、『電車男』効果があったということになる。『電車男』現象を、一部の人達の金儲けにさせないためにも、その「萌える」ベクトルを、「社会」へ向けることを祈りたい。


ありがとう!電車男―50万人が涙した純愛

ありがとう!電車男―50万人が涙した純愛