フランソワ・トリュフォー
フランソワ・トリュフォーの映画誌―山田宏一の映画教室〈vol.1〉 (山田宏一の映画教室 (Vol.1))
- 作者: 山田宏一
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2004/08/01
- メディア: 単行本
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山田宏一『フランソワ・トリュフォーの映画誌』(平凡社)を読了。山田氏は、すでに『フランソワ・トリュフォー映画読本』や『トリュフォー、ある映画的人生』など、トリュフォーに関する本を数冊出している。今回の『映画誌』は、映画教室での講演をもとに、加筆したトリュフォー入門書とでもいうべき書物。
- 作者: 山田宏一
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2003/05/01
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トリュフォーがいかに映画を愛していたか、また、先行する映画作家たちから影響を受けながら、自らの世界を構築していったかは、よく語られるところである。『フランソワ・トリュフォーの映画誌』は、先行する作家のフィルムからの引用や、作家へのオマージュを捧げているシーンなどを解説している。
目次から拾ってみると、ロベルト・ロッセリーニ、ジャン・コクトー、ジャン・ヴィゴ、オーソン・ウェルズ、マックス・オフュルス、ニコラス・レイ、チャップリン、ハワード・ホークス、ヒッチコック、フリッツ・ラング、ルイス・ブニュエル、ジャック・タチ、ジャン・ルノワール、D.W.グリフィス、など、書いているだけで、一種の興奮を覚えるほど、映画的記憶に連なる名前だ。
各章は、影響を受けた監督たちの映画のシーンを具体的に示しながら、トリュフォーの映画にどのように、反映されているかを細かく、例証した本になっている。その点で、入門書といいながら、上記の監督たちに関する最低限の知識を持っていることで、より内容が分かる仕掛けだ。
フランソワ・トリュフォー(1932〜1984)は、そのほとんどが恋愛映画であり、女性への賛美を捧げている。ビデオやDVDで、すべての作品を観ることのできる幸せを感じながら、あらためて、この映画小僧であり、あえて巨匠になることを拒否した、映画のための映画作家、フランソワ・トリュフォーを、見直す時期になっている。いつの間にか、他界後、20年が過ぎてしまった。
山田宏一氏による『トリュフォー遺稿集』や『トリュフォー書簡集』の翻訳本も近々、刊行される予定。トリュフォーの再評価、スクリーンでのレトロスペクティヴを期待したい。
フランソワ・トリュフォー DVD-BOX 「14の恋の物語」[I]
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2003/11/06
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フランソワ・トリュフォー DVD-BOX「14の恋の物語」[II]
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