2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ラス・メニーナス

■ベラスケス「ラス・メニーナス」ほか(プラド美術館)フーコーの著書『言葉と物』の冒頭の口絵を飾って以来、「ラス・メニーナス」は必見の絵画となっていた。眼前に観たときは、ただ立ち尽くすのみ。 言葉と物―人文科学の考古学作者: ミシェル・フーコー,M…

精神

想田和弘氏の観察映画第二弾『精神』(2009)を観ると、健常者と患者との見極めが難しい。病気により自己の哲学を詩的に形成している人がいる。患者への偏見を払拭するためには必見の「観察映画」。想田監督のメッセージを引用する。 僕の前作『選挙』(観察…

嗚呼 満蒙開拓団

羽田澄子『嗚呼 満蒙開拓団』(2008)に衝撃を受ける。旧日本政府による満州開拓団の積極的なプロパガンダは何だったのか。敗戦時の引き上げは、関東軍や満鉄関係者とその家族中心であり、開拓民家族は見棄てられた。「中国残留孤児」とは、日本の植民地政策…

路上のソリスト

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懺悔

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ディア・ドクター

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加藤周一が書いた加藤周一

鷲津力編『加藤周一が書いた加藤周一』(平凡社、2009)は、冒頭から順を追って読み始めると、一人の知識人の生涯の物語として一種自伝的に読むことができる。加藤周一が書いた加藤周一―91の「あとがき」と11の「まえがき」作者: 加藤周一,鷲巣力出版社/メー…

金融危機後の世界

ジャック・アタリ著、林昌宏訳『金融危機後の世界』(作品社、2009)は、アメリカ発の金融危機がどのように起きたか、そして、今後どう対応すれば、資本主義の崩壊を阻止できるのかが、きわめて明解に書かれてあり、経済学専門ではない者にもじつに分かりや…

13日間で「名文」を書けるようになる方法

高橋源一郎『13日間で「名文」を書けるようになる方法』(朝日新聞出版、2009)。高橋氏は「あとがき」で、学生が提出した文章の添削を一切しないことの理由を次のように記している。 10年以上前のことだ。わたしは、小学校5年生たちに「文章」を教えた…

今月の読書と映画(2009年9月)

今月に読了した本は3冊で(但し読みかけの本は外にもある)きわめて少ない。映画は、スクリーンで観た映画が5本。以下に列挙する。■読書