13日間で「名文」を書けるようになる方法


高橋源一郎『13日間で「名文」を書けるようになる方法』(朝日新聞出版、2009)。高橋氏は「あとがき」で、学生が提出した文章の添削を一切しないことの理由を次のように記している。

10年以上前のことだ。わたしは、小学校5年生たちに「文章」を教えたことがある。というか、教える必要なんかまったくなかった。まったくもう、驚異的な「名文」のオンパレードだった。ところが、そんな「名文」を書くことができた小学5年生たちが、中学に進学すると、彼らの書く「文章」が下手くそになっちゃうのである。あんなに元気溌剌としていた「文章」たちが、気息奄々、病人みたいになっている。それもこれも、「背筋を伸ばして!」といいすぎるからだ。教えれば教えるほど、「文章」は下手になる。だからわたしは、できるだけ、教えないようにした。それが、「名文」へ近づく、唯一の道ではないだろうか。(p395)

13日間で「名文」を書けるようになる方法

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