ザ・インタープリター
実際に国連の内部で撮影した話題だけでも観る価値がある。それ以上に、アメリカ映画が、民主化という名目のもとで、他国の内戦に介入するケースとして、また9・11以後のアメリカの方向性を批判した映画としても存在価値抜群のフィルムだ。反暴力、反戦、平和志向が、これほど明確に出ている映画は珍しい。
国連でアフリカのマトボ共和国(架空)のクー語の翻訳を担当しているニコール・キッドマン。美人で背が高く、パンツスーツ姿が際立っている。護衛としてつくショーン・ペンは、浮気した妻が交通事故で死亡したばかり。ニコール・キッドマンには苦い過去があり、それはどうやら、国連で演説をしようとするマトボ共和国の大統領に関係があるようだ。サスペンス風の味付けで、政治映画を撮るのが、社会派シドニー・ポラック。予想外に良い映画だった。
最初は、民主化を目指していた政治家がいつの間にか、民衆を抑圧する側に回ってしまう。政治権力の魅力=魔力の怖さ。
それにしても、異様なまでに美しいニコール・キッドマンは、トム・クルーズを超えてしまった。演技派が優先されるなかで、美人でスタイルが良く、演技も冴えてきたニコール・キッドマンは、どこまで行くのか、楽しみだ。
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