福田恆存評論集


麗澤大学出版会から『福田恆存評論集』全12巻別巻1が、2007年11月から刊行開始されることも情報として知っていた。本日届いた第1回配本は第8巻で、内容は文藝春秋版『福田恆存全集』第6巻を底本としたもので新採録の論考はなかった。おそらく、第11、12巻あたりに全集版未収録の論考が採録されることを期待したい。ソフトカバーで一段組みなので、全集版より読みやすいが、「解題」も「月報」もないというのは淋しい。論壇が右傾化するなかで、保守論客としてはラジカルであった福田恆存氏の著作をじっくり読む機会なのかも知れない。


福田恆存評論集〈第8卷〉教育の普及は浮薄の普及なり

福田恆存評論集〈第8卷〉教育の普及は浮薄の普及なり


古書で購入しておいた『福田恆存全集』全8巻を書架から引き出してみる。全集版には著者自身による「覺書」が付されている。今回の待望久しい『福田恆存評論集』は、第1回配本のタイトルが「教育の普及は浮薄の普及なり」という論考から採っているのは昨今の教育に対するアイロニーか。