図書館はだれのものか


図書館はだれのものか―豊かなアメリカの図書館を訪ねて (中部大学ブックシリーズ)

図書館はだれのものか―豊かなアメリカの図書館を訪ねて (中部大学ブックシリーズ)


それにしても、図書館の社会的背景をアメリカに見た松林正己『図書館はだれのものか−豊かなアメリカ図書館を訪ねて』(中部大学、2007)の、国立国会図書館独立行政法人化への怒りは正しい。

国家の威信である国立図書館をいとも簡単に国家機関から外すというのは前代未聞である。あえて言うなら情報戦の基盤は図書館である。知的な国防の基礎である国立図書館の解体案には、呆れ果てた。図書館政策は教育政策のバロメータである。国政に関わる知性のレヴェルが知れて恥ずかしい。この知的貧困が跋扈する限り、日本の図書館は良くならない、その反証としてアメリカの豊かな図書館活動を紹介することを試みた次第である。(p.94)