京都読書空間


今年の1月所用があり京都へ行った。用務が済んだあと、いくつかの書店や古書店を回っていたとき、桜風舎編『京都読書空間』(光村推古書院, 2005.10)を見つけて買っておいた。自室の書棚、といっても雑然としているのだが、買っておいた本を忘れていて、ふと手に取ると買い求めた書店を思い出した。京都のジュンク堂書店だった。取り出して、読むというより眺めてみた。京都の街は、東京=江戸と異なり平安朝以来歴史の重みがある。


京都読書空間 (act books)

京都読書空間 (act books)


『京都読書空間』には、もちろんあの知る人ぞ知る「三月書房」が掲載されている(p.084)。「小沢書店や京都書院といった今はなき出版社」の本が売られているし、品揃えには定評がある。京都へ行くときは、必ず訪れる新刊書店だ。「私設圖書館」(p.040)は、いまだ健在だった。数年前に一度立ち寄ったことがあり、公共図書館とは異なる静謐で落ち着いた雰囲気があった。


新刊書店ではジュンク堂書店・京都店(p.104)。京都府内最大級のジュンク堂書店京都BAL店が2月24日オープンしたようだが、私が訪れたときは、開店準備中だった。ジュンク堂は「図書館よりも図書館らしい」がモットーで、各地の訪問の際は、一応覗いてみることにしている。京都店の通路は狭いものの、高い書架に収納された書物たちとの出会いが嬉しい。


京都駅南の「アバンティブックセンター」(p.099)は、アバンティの6階にあり、伊丹空港行きのバス停近くにあるので、時間待ちで立ち寄ることがある。岩波文庫と新書の品揃えが良く、「旅の途中」で読むには手ごろな本をみつけることが出来る。


ブックカフェやブックバーなるものがあるのも京都の特徴だろう。「図書館」(p.024)という名前のブックバーがある。間接照明の陰影のなかで織田作之助鬼海弘雄写真集が置いてある。覗いてみたい場所だ。


世相・競馬 (講談社文芸文庫)

世相・競馬 (講談社文芸文庫)

夫婦善哉 (講談社文芸文庫)

夫婦善哉 (講談社文芸文庫)


PERSONA

PERSONA


東京はお世辞にも住みやすいとは言えない。神田神保町を歩くのも何故かひどく疲れる。岩波ホールへ行く以外は、特別に神保町へ行くことはなくなった。その点、京都の街にはやすらぎを感じる。毎年1回以上は京都を訪ねることにしている。素敵な読書空間、あゝ京都!


『京都読書空間』は装丁が心地よいし、カバーが書店のカバー風で味わいがある。京都に誘われる。今年の夏までの辛抱。『京都読書空間』はお薦め本。


■桜風舎編集の本

京都ミュージアムワンダーランド―趣味と暮らしの博物館 (Act books (3))

京都ミュージアムワンダーランド―趣味と暮らしの博物館 (Act books (3))

よみがえる京の町家―癒しの空間 (別冊「緑青」 (5))

よみがえる京の町家―癒しの空間 (別冊「緑青」 (5))


たまには、こんなのんきな「覚書」を書くのも楽しい。そういえば、映画『二人日和』は、京都が舞台だった。