バタイユ 魅惑する思想
さて、バタイユである。酒井健『バタイユ 魅惑する思想』が1月に出た。
- 作者: 酒井健
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2005/01/01
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 16回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
バタイユの著作12冊についての著者による「読み」の試みであり、代表作『文学と悪』、『内的体験』、『エロティシズム』、『呪われた部分』、『エロスの涙』などの、解読めいた内容となっている。バタイユに直接接触した岡本太郎や、影響を受けた三島由紀夫にも頁がさかれている。
- 作者: ジョルジュバタイユ,Georges Bataille,出口裕弘
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1998/06/10
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
- 作者: G・バタイユ,酒井健
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/01/11
- メディア: 文庫
- 購入: 9人 クリック: 80回
- この商品を含むブログ (66件) を見る
- 作者: ジョルジュバタイユ,Georges Bataille,中山元
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2003/04/01
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 41回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
バタイユを思想家と記述したが、文学、芸術、宗教、政治、経済、社会、人類学、エロティシズム、そして、もちろん哲学など、広範なジャンルに亘る著書を残している、生の肯定者である。それは静謐な・傍観者的な生ではなく、死に向かうきわめて過激な生の肯定者なのだ。
なぜ、ラカンとバタイユに21世紀の思想家を見るのか、西欧近代を相対化した位相から生(性)と愛(友愛)について激しく語っているからである。この二人の因縁は、ジャン・ルノワールの傑作『ピクニック』(1936)に出演した女優シルヴィア・バタイユ(シルヴィア・マクレス)が、最初の結婚相手ジョルジュ・バタイユと離婚し、ジャック・ラカンと再婚しているところにある。不思議な縁というべきだろう。
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2004/06/26
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 92回
- この商品を含むブログ (26件) を見る
バタイユもラカンも、今、解読の緒についたばかりであり、当分は二人の著書を読むことになりそうだ。二人とも、近代的な自我=主体を否定した。「私は・・・私である」とはいえない。他者、自同律の不快。ここで埴谷雄高に繋がる。ぷふぃ。気分が高揚し、わくわくする状態にある。「ラカン萌え」「バイタユ萌え」かな。