翻訳・新訳本


12月になって、何故か忙しい。読書中の本が多くどれも読了できない状態。今年は、翻訳本が話題になっている。

アンチ・オイディプス(上)資本主義と分裂症 (河出文庫)

アンチ・オイディプス(上)資本主義と分裂症 (河出文庫)

アンチ・オイディプス(下)資本主義と分裂症 (河出文庫)

アンチ・オイディプス(下)資本主義と分裂症 (河出文庫)


まずは、ドゥルーズガタリ/宇野邦一訳『アンチ・オイディプス(上)(下)』(河出文庫)。「資本主義と分裂症」の副題を持つ本書の新訳は未読の大著。


シネマ2*時間イメージ (叢書・ウニベルシタス)

シネマ2*時間イメージ (叢書・ウニベルシタス)


ドゥルーズ『シネマ2』(法政大学出版局)の翻訳刊行も事件だったが、一応読了できた。(2006年11月11 日、18日の拙ブログ参照)


紅い花 他四篇 (岩波文庫)

紅い花 他四篇 (岩波文庫)


荒川洋治氏の指摘によれば、ガルシン『紅い花・改版』(岩波文庫)は、翻訳者の神西清の「年譜」が巻末に付されている。著者以外で、翻訳者の年譜が付くのはおそらく、きわめて珍しい。


鼻/外套/査察官 (光文社古典新訳文庫)

鼻/外套/査察官 (光文社古典新訳文庫)


新たな文庫、光文社古典新訳文庫の出現は、刺激的である。何冊か購入しているが、ゴーゴリ『鼻/外套/査察官』は、「落語調」の翻訳で、「外套」を読むがこの作品の異常さ、面白さが増幅され、新しい小説を読む感覚だった。


ニール・サイモン〈1〉おかしな二人 (ハヤカワ演劇文庫)

ニール・サイモン〈1〉おかしな二人 (ハヤカワ演劇文庫)


早川書房から創刊された「ハヤカワ演劇文庫」も注目される。『ニール・サイモンⅠ、おかしな二人』をとりあえず購入しておくが、未読。


グラモフォン・フィルム・タイプライター〈上〉 (ちくま学芸文庫)

グラモフォン・フィルム・タイプライター〈上〉 (ちくま学芸文庫)

グラモフォン・フィルム・タイプライター〈下〉 (ちくま学芸文庫)

グラモフォン・フィルム・タイプライター〈下〉 (ちくま学芸文庫)



画期的なメディア論である、フリードリヒ・キットラー『グラモフォン・フィルム・タイプライター(上)(下)』(ちくま学芸文庫)も文庫化された。情報化時代を予見した慧眼の書・必読本だが、これも未読。


グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)


さて、一時ノーベル文学賞候補といわれた村上春樹フィッツジェラルドグレート・ギャツビー』の新訳を出した。今回の新訳について、村上氏は

僕はこの小説について僕がこれまで個人的に抱いてきたイメージを明確にし、その輪郭や色合いやテクスチャーをできるだけ具体的な、触知できる文脈で読者のみなさんに差し出すことを目的として、この翻訳をおこなった。(p.336)


と「あとがき」で述べている。満を持して翻訳された『キャッチャー・イン・ザ・ライ』に続く新訳本。もっとも注目されている翻訳本だろう。



岩波書店から『フロイト全集』の刊行が開始された。17巻『不気味なもの・快原理の彼岸・集団心理学』を買い求む。継続注文するかどうか判断するためだ。うーん、全22巻別巻1は、まず読み込めないだろう。現在所有している文庫本や、人文書院版で我慢しよう。

というわけで、未読本の羅列だ。多忙は理由になるまい、反省。