ブッシュ再選


アサヒ・コムから『ブッシュ米大統領再選 ケリー氏、敗北認める 』、以下引用。

米大統領選で共和党ブッシュ大統領(58)は3日、民主党のケリー上院議員(60)を小差で破り、再選を果たした。ブッシュ氏は同日午後、ワシントン市内で勝利演説を行い、「皆さんの信頼を受けるに足るようあらゆることをやる」と語り、国民和合を呼びかけた。イラク戦争の是非が最大の争点となる中でブッシュ氏は戦時指導者として必要な「資質」に焦点を絞り、ケリー氏の言動の一貫性のなさを攻撃、同氏からの開戦の判断と失業者増に対する批判をかわした。共和党大統領の再選は84年のレーガン大統領以来20年ぶり。

ブッシュ氏は来年1月20日、チェイニー副大統領(63)とともにワシントンで就任式に臨む。

今回の大統領選はベトナム戦争をめぐって争った68年の大統領選以来、初めて外交・安保政策が正面から論じられた。ブッシュ氏の再選で対イラク政策が一応、信任されたことになる。しかし、イラク戦争のやり方を批判したケリー氏が善戦したことから、戦争をめぐる評価が二分していることが再認識された形で、再選後も引き続きブッシュ政権の最大の懸案になりそうだ。

開票は3日午後9時(日本時間4日午前11時)現在で、アイオワニューメキシコ両州を除いてほぼ終了し、ブッシュ氏が29州の選挙人計274人を獲得して過半数(270人)を獲得。ケリー氏は19州と首都ワシントンの選挙人252人にとどまった。得票数は、ブッシュ氏が約5911万票(得票率51%)、ケリー氏が約5555万票(同48%)で約356万票の差がついた。

2日夜から始まった開票作業で、中西部オハイオ州がブッシュ氏が約279万4000票、ケリー氏が約265万8000票となり、その差は約13万6000票。約17万5000票と見込まれた暫定投票がすべてケリー氏への投票だと仮定すれば逆転の余地があるため、ケリー陣営は州当局に集計するように求めた。

ケリー陣営は副大統領候補、エドワーズ上院議員が当初、法的措置も辞さない構えを見せたが、暫定投票を集計しても実際に逆転する可能性は極めて低いうえ、法廷闘争に持ち込んでも勝つ見通しはないため、一転、敗北を受け入れることにした。

ケリー氏は3日午前11時すぎ、ブッシュ氏に電話して「おめでとう、大統領。今、国が二つに割れている。それに対して我々は真剣に何かやらないといけない」と述べ、敗北を認めた。

さらに、3日午後、地元のボストン市内で演説し、「私と大統領は米国の分裂の危険と、統合のために共通の基盤を見いだし、共に進む必要性について話し合った」と紹介。選挙戦の結果については「米国ではすべての票は価値があり、集計されるべきだが、結果は有権者によって決められるべきで、長い訴訟手続きで決めるべきではない」と法廷闘争をしなかった理由を説明した。

これを受けてブッシュ氏はワシントン市内で勝利演説を行い、「この国をより強く、より良くするために皆さんの助けが必要であり、そのために働くつもりだ」とケリー氏の支持者に協力を呼びかけた。2期目の課題として、イラク国内の安定やテロとの戦いの実行などを挙げ、「こうした目標を達成するためには米国民の幅広い支援が必要だ」と訴えた。
(11/04 11:57)


接戦とはいいながら、ブッシュは過半数を制したことの意味は、大きい。9・11から始まった世界戦争は、さらに拡大するだろう。アメリカ国民の過半数は「イラク侵略戦争」を、結果として肯定したことになる。イラクの現状を見るかぎり、混迷を深めている。ブッシュは「イラク民主化に成功した」という。「民主化」とは何なのか。テロとの闘いを名目に、中東の石油資源の確保に成功したというべきだろう。


一国の大統領選挙が、かくも世界中から注目を浴びたのは、前代未聞のこと。アメリカの大統領によって、世界は動いている。まさに、アメリカは「帝国」になってしまった。昨日も触れたが、それは、「帝国」の崩壊の前兆なのである。歴史は反復する、ただし、二度目はパロディとして。


ブッシュの野望 サウジの陰謀―石油・権力・テロリズム

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