米大統領選


11月2日投票のアメリカ大統領選挙の結果が判明しつつある。どうやらブッシュ有利が動かない様子である。アサヒ・コムより引用すると、

米大統領選は3日未明(日本時間3日夜)、3州を残して開票を終え、共和党現職のブッシュ大統領(58)が民主党新顔のケリー上院議員(60)に対して一般投票、獲得選挙人数でともに優位となっている。ただ、勝敗を左右するオハイオ州でケリー陣営が開票されていない「暫定投票」を集計するよう求めたうえ、アイオワ州では集計機械が故障し、作業が途中で停止したため、両州の得票の確定は1週間以上ずれ込む見通しだ。ケリー陣営は徹底抗戦する構えで、00年大統領選に続いて当落の判断が司法に持ち込まれる可能性も出てきた。

選挙戦は前回の00年と同様に大接戦となった。ブッシュ氏は南部で、ケリー氏は北東部で、それぞれ共和、民主両党の基盤州を確実に押さえ、中西部が主戦場となった。ブッシュ氏が前回選挙に続き、選挙人数の多い南部フロリダ州を再び制して優位に立った。3日朝までの集計では、ブッシュ氏が28州の選挙人254人、ケリー氏は19州と首都ワシントンの選挙人252人を獲得した。オハイオ州の選挙人20人をとった方が過半数の270人を確保するため、当選が事実上、確定する状況だ。

CNNテレビの集計によると、オハイオ州の開票結果は3日午前6時現在で、ブッシュ氏が約279万4000票、ケリー氏が約265万8000票でその差は約13万6000票だ。暫定投票数は3日未明で13万5000票だが、まだ集計を続けており、同州のブラックウェル州務長官によると約17万5000票近くになるという。すべてケリー氏への投票だと仮定すれば逆転の余地があるため、ケリー陣営は州法に従ってすべて集計するように要求。州当局は3日から事務手続きを始める。

一方、アイオワ州では開票率99%の段階で集計機械が故障して作業がストップ。ブッシュ氏は約74万1000票、ケリー氏が72万6000票でとまっている。同州選管によると、2人の得票差が1万5000票と小さいため、暫定投票を集計する方針を決めた。このため、得票が確定するのは1週間以上かかる見通しだ。

ブッシュ大統領のカード首席補佐官は3日早朝、ワシントンで「ブッシュ大統領が再選すると我々は確信する。一般投票による米国民からの強い支持と同様に選挙人数でも確実に勝利する」と表明。そしてブッシュ氏が勝利宣言する前にケリー氏が敗北を受け入れるよう促した。

しかし、民主党の副大統領候補、エドワーズ上院議員は3日未明、ボストン市内で「私とケリーはあらゆる票を数えるべきだし、あらゆる票は数えられるべきだと米国民に約束する」と表明。「今晩、我々は約束を守る。あらゆる票のため我々は戦うつもりだ」と述べ、暫定投票などすべての票を集計するよう州当局に求めるため法的措置も辞さない考えを示した。

前回00年に366票差で民主党のゴア副大統領が制したニューメキシコ州(選挙人5人)では今回も僅差(きんさ)の勝負にもつれ込み、州選管は「少なくとも3日までは見通しが立たない」として結果を持ち越した。CNNによると、開票率99%の段階でブッシュ氏の得票は31万8782票と、ケリー氏の31万7005票を1777票上回っている。 (11/03 22:41)


うーむ。2000年のブッシュvsゴア選に続いて、やっかいなことになりそうだ。アメリカ国外の世界的世論と、アメリカ国内の世論にこれほど差異があるとは、いかにアメリカが、独善的になっているかの証明にほかならない。いま、まさしくアメリカは世界の「帝国」になっている。いうまでもないが、「帝国主義」ではなく「帝国」である。ブッシュが2期連続して大統領となれば、更に、新たな戦争が開始される可能性が大きい。アメリカ国民の責任はきわめて大きい。かつてのアメリカは「自由と民主主義」の象徴であったはずだ。世界史的にみれば、世界を制覇した「帝国」は、一度凋落すると、二度と世界を制覇した例はない。アメリカは本来、懐の深い国であったはずだ。逆説的にいえば、アメリカ「帝国」の崩壊が始まったといえるだろう。