雑誌記事索引のRSS配信


国立国会図書館雑誌記事索引」の新着記事RSS配信が可能となった。国会図書館のデジカルアーカイブである「PORTA」の登場以来、国会図書館は強烈に進化し続けている。「PORTA」は、デジタルアーカイブや目録・索引、さらにウェブサイトなどを検索対象としている画期的システムである。

平成20年12月17日(水)より、雑誌記事索引の速報性・利便性の向上を目指して、雑誌記事索引採録対象誌の新着記事情報のRSS配信を開始しました。この新サービスでは、RSSリーダーを使うと、採録誌の新着号の記事情報(雑誌名、記事名、記事の著者名等)を簡単にチェックすることができます。雑誌記事索引採録誌一覧から、希望する採録誌のタイトルが掲載されているページに移動し、タイトル横のRSSボタンを使ってRSS配信の登録を行うことができます。配信データから、NDL-OPAC雑誌記事索引詳細表示画面を参照することも可能です(国立国会図書館HP)


12月17日付けのニュースで、「雑誌記事索引」の新着記事のRSS配信するというのだ。個別図書館のWEB-OPACが登場したときは、図書館が時代の先端を行っていた。ところが、その後、GoogleAmazon.comによりウェブの世界は、2,0と呼称される進化をとげた。


国立国会図書館入門 (三一新書)

国立国会図書館入門 (三一新書)


個別図書館は大学図書館公共図書館を問わず、財政的な縮小・人員削減・蔵書構成の貧弱化に向っている。業務の外注化や指定管理職制度の導入など、もっぱら財政的理由から図書館の存在価値を低くみているように思われる。図書館の未来は危ういと言わざるを得ない。


そんなマイナスイメージが先行する中で、ひとり国会図書館のみ着実に時代を先取りしている。国会図書館の頑張りは、十分評価に値する。情報化社会の先端に位置する図書館であって欲しいと願う。


国立国会図書館関西館の建築

国立国会図書館関西館の建築


図書館の目録や書誌情報のウェブ化は、もはや前提の世界であり、目次や抄録のみならず本文すなわちフルテキストが読めることが求められている。しかしそこには著作権が介在しており、せめて抄録にせよ記事索引にせよ、それが更新と同時に情報配信されるのが当たり前の状況になってしまった。


電子図書館が見えてきた (NECライブラリー)

電子図書館が見えてきた (NECライブラリー)


電子図書館、そこにはすべての書物のコンテンツがテクスト化され、必要な部分を読むことができる、そんな夢のような世界をGoogleが実行している。しかし、パソコンがなく電源がなければ、どうなる。屋外の読書、横たわり寝ながら読書できるのが書物という形式だったはずだ。


パソコンの前で画面を見ながらの読書なんて、疲れてどうしょうもない。電子図書館は、自然体としての人間が疎外されるのではないか。すべての書物をスキャンし、デジタル化すれば、すべてが解決するのだろうか。どうもそうは思えない。


図書館 この素晴らしき世界

図書館 この素晴らしき世界


グーテンベルクの印刷術発明により、写本から刊本の時代となり、電子ブックやウェブ図書となったが、文字を読むのは人の眼だ。紙は人に優しいが、PCの画面を見続けることが果たして人間にとって、印刷術、つまり本という形式を凌駕するものなのか。




書物や論文のデジタルアーカイブ化は、瞬時にしてフルテキストに到達できる理想のかたちに思えるのだが、「読む」という基本的な行為への配慮が欠けているように感じる。実際、私自身もパソコンの画面をみるよりも本を読む方がはるかに多い。情報収集にはネットを利用するが、本格的に読む行為は、書物の形式がはるかにいい。パソコンの持ち歩きはしたくないが、本は手軽に持ち運びができる。


図書館 愛書家の楽園

図書館 愛書家の楽園


電子図書館、ウェブ情報、あるいはデジタルアーカイブなど、理想の情報環境は想定できるが、「読む」行為から言えば、やはり本という形式が一番良い、というのが私のスタンスである。


アメリカ議会図書館―世界最大の情報センター (中公新書)

アメリカ議会図書館―世界最大の情報センター (中公新書)

新・大英図書館への招待 (The British Library Souvenir Guide)

新・大英図書館への招待 (The British Library Souvenir Guide)