2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ノーカントリー

ジョエル&イサーン・コーエン『ノーカントリー』(No Country for old men, 2007)も、畏怖すべきフィルムだった。コーエン兄弟のフィルムの中でも傑出した仕上がりになっている。ベスト作品と言ってもいいだろう。それは何よりもハリウッド映画のルールから…

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

第80回アカデミー賞・主演男優賞を受賞したダニエル・デイ=ルイス主演、ポール・トーマス・アンダーソン監督作品『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(There will be blood, 2007)を観た。 ゼア・ウィル・ビー・ブラッド [DVD]出版社/メーカー: ウォルトディ…

昭和の短編一人一冊集成

未知谷という出版社から『昭和の短編一人一冊集成』が刊行されはじめ、五冊五人の予定で、6月現在、吉行淳之介、戸川昌子、源氏鶏太、藤原審爾までが出版された。残る一人は色川武大である。そのうち、未読でありなおかつ今日では、その著書がきわめて入手し…

実録・連合赤軍 

若松孝二『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2008)を観る。観ることのつらさを克服すれば、この作品のもつ意味が明らかになる、そんな映画だ。 降雪のなかを一列に歩く九人の姿が捉えられると画面は一転、1960年の安保闘争に遡及する。60年安保とそれ…