2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

それから

漱石の『それから』を岩波版全集第六巻にて読む。文庫本で読んだのは数十年前であり、森田芳光監督の映画化作品が印象強く残っている。森田作品は、1985年つまり20年以上も前の映画であった。代助を松田優作が、三千代を藤谷美和子が、平岡を小林薫が演じて…

シネマ1*運動イメージ

法政大学出版局からやっと、待ちわびたドゥルーズ『シネマ1*運動イメージ』*1が6月下旬に刊行される。『シネマ2』刊行時の予告から1年遅れたが、その分楽しみも増幅された。 シネマ2*時間イメージ (叢書・ウニベルシタス)作者: ジルドゥルーズ,宇野邦一,…

山のあなた 徳市の恋

清水宏のDVD-BOX『山あいの風景』(松竹、2008)について拙ブログ(2008-04-26)で言及したが、その中の『按摩と女』(1938)を70年ぶりにカヴァー*1した作品『山のあなた 徳市の恋』(2008)を観たので、その感想を書いておきたい。 清水宏監督作品 第一集 …

内村剛介ロングインタビュー

陶山幾朗編『内村剛介ロングインタビュー 生き急ぎ、感じせく―私の二十世紀』(恵雅堂出版、2008.5)*1を、入手後一気に読了した。内村剛介『生き急ぐ―スターリン獄の日本人』との出会いは、「シベリア抑留」体験の極北であり、衝撃的であった。 生き急ぐ―ス…

ロベルト・ムージル

古井由吉『ロベルト・ムージル』(岩波書店、2008.2)を、本書のなかで言及されている古井氏の翻訳による『愛の完成』『静かなベロニカの誘惑』の二編と、川村二郎訳『トンカ』を併読しながら読了した。 ロベルト・ムージル作者: 古井由吉出版社/メーカー: 岩…

文学鶴亀

武藤康史『文学鶴亀』(国書刊行会、2008.2)を少しづつ読み、年譜・書誌・辞書史等の地味な仕事をこなしてきた武藤氏ならではの、硬質な文体と内容に驚嘆しつつ読み続けている。 文学鶴亀作者: 武藤康史出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2008/02/01メディ…

漱石

三浦雅士『漱石 母に愛されなかった子』(岩波新書、2008.4)読了。三浦雅士の前著『出生の秘密』(講談社、2005.08) のテーマの延長上で、対象を漱石に絞って考察した小冊子となっている。 漱石―母に愛されなかった子 (岩波新書)作者: 三浦雅士出版社/メーカ…