2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

先生とわたし

四方田犬彦が、彼の師・由良君美についてまとめた『先生とわたし』(新潮社、2007.6)を読了。 [rakuten:book:12079768:detail] 既に高山宏が、紀伊国屋書店Web「書評空間」で取り上げているので、それ以上のことはとても書けない。まず高山宏が、石原都政下…

溝口健二の映画

ビデオやDVDでは観ているものの、リアルタイムで観ていない溝口健二をスクリーンで観る経験は多くない。特にロングショットが多い溝口作品の場合、可能ならば全作品をスクリーンで見たいと願っている。小津安二郎は、バストショットが多いので、TV画面…

黙読の山

荒川洋治『黙読の山』(みすず書房、2007.7)を入手した。巻末の初出一覧をみながら、短文ばかりだなとは思いつつ読めば、内容は濃い。言いたいことが素直に、率直なことばで読者に響く。飾らない良い文章の見本だ。 黙読の山作者: 荒川洋治出版社/メーカー:…

エドワード・ヤン(楊徳昌)を悼む 

今朝の「朝日新聞」の小さな記事で、エドワード・ヤンの死去を知る。享年59歳はあまりに若い。才能に恵まれた監督だけに惜しまれる。メディアが、大きく伝えることもなく、ひっそりと他界された台湾の映画監督について、弔辞にあたる「ことば」や作品解説も…

17歳のための世界と日本の見方

松岡正剛が帝塚山学院大学で「人間と文化」と題した講義を復元・編集したのが、『17歳のための世界と日本の見方』(春秋社、2006)*1であり、まずこちらを読了した。 「関係」と「編集」、「文化感覚距離」などの「ことば」を駆使して、世界の成り立ちの根底…

ちょっと本気な千夜千冊 虎の巻

松岡正剛『千夜千冊(全8冊)』(求龍堂、2006)は、web版「松岡正剛の千夜千冊」を、再編集・加筆した大全集であるが、あまりの金額の高さ故敬遠している。いや、それよりも、松岡正剛その人がいまひとつ理解できないのだ。読書の守備範囲の広大さには驚くし…