2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

トリュフォーの映画術

映画本の購入は控えていたのだが、アンヌ・ジラン編・和泉涼一・二瓶恵訳『トリュフォーの映画術』(水声社、2006)を、買い求めてしまった。膨大なトリュフォー自身の作品に関するインタビュー。それは、トリュフォーがヒッチコックに対して行った*1と同様…

うつせみ

マンションや住宅街で玄関に飲食店の広告を貼りつけて行く青年。バイクで走り去る。その後、青年は同じ場所に戻ってきて、広告を貼り付けた家の玄関を確認して行く。広告が貼られたまま残されている家屋の鍵を持参した道具で開け、部屋の内部へ進入する。「…

アマデウス ディレクターズカット版

ミロス・フォアマン『アマデウス』(1984, 160分)を公開時にスクリーンで観て以来、今回、「ディレクターズカット版」(2001,180分)をスクリーンで観る。この20年間に本作を観る上での、決定的な違いは、ロケ地であるプラハを訪れたことと、モーツァルトの…

老後がこわい

香山リカ『老後がこわい』は、シングル女性の老後問題を自らの体験として述べており、かなり説得的に問題の所在を指摘している。 老後がこわい (講談社現代新書)作者: 香山リカ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/07/19メディア: 新書購入: 6人 クリック: …

マイアミ・バイス

口直しにマイケル・マン『マイアミ・バイス』を観る。久々に、面白い!と感じさせる。警察官のマフィア潜入ものだが、コリン・ファレルとジェイミー・フォックスのコンビが絶妙。チャン・イーモウの主演女優だったコン・リーが加わる。スタイリッシュでパン…

シュガー&スパイス

山田詠美『風味絶佳』(文藝春秋,2005)の中の一編、表題作の「風味絶佳」を映画化した『シュガー&スパイス』を観た。『誰も知らない』でいきなりカンヌ映画祭主演男優賞を受賞した柳楽優弥くんの主演作。また、相手役に『パッチギ』で注目を浴びた沢尻エ…

「著作権保護延長」に反対する

著作権の保護期間は、現在の日本では著者の死後50年だが、それが70年に延長されようとしている。「朝日新聞」に2006年9月12日から3回連続で連載された「著作権のふしぎ」や、福井健策が『中央公論』10月号に寄稿した「「著作権保護延長」は文化を殺すのか」…

私の幸福論

福田恆存『私の幸福論』の初版が刊行されたのは1956年であり、『幸福への手帖』と題して新潮社からであった。高木書房版で『私の幸福論』と改題され、若干の加筆訂正されたのが筑摩文庫版で、福田恆存の本としては、『私の國語教室』(文春文庫,2002)とと…

おんなの浮気

堀江珠喜『おんなの浮気』(ちくま新書,2006.8)を、タイトルに惹かれ購読したが、トンデモ本であった。某大学教授という肩書きから、学問的に考察しているものだと思った。 おんなの浮気 (ちくま新書)作者: 堀江珠喜出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/…

資本主義から市民主義へ

資本主義から市民主義へ作者: 岩井克人,三浦雅士出版社/メーカー: 新書館発売日: 2006/07/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 23回この商品を含むブログ (30件) を見る 岩井克人に三浦雅士が聞き手となった対談集『資本主義から市民主義へ』(新書館)は…