2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

思想のケミストリー

思想のケミストリー作者: 大澤真幸出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2005/07メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (11件) を見る 大澤真幸は新刊『思想のケミストリー』で、日本近代史においては、文学者や文芸評論家が文学作品や哲学書…

風味絶佳

風味絶佳作者: 山田詠美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/05/15メディア: 単行本 クリック: 24回この商品を含むブログ (310件) を見る 山田詠美『風味絶佳』が、好評のようだ。高橋源一郎による朝日新聞掲載の「書評」(2005年6月26日)での「絶賛」。…

日本とドイツ二つの戦後思想

日本とドイツ 二つの戦後思想 (光文社新書)作者: 仲正昌樹出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/07/15メディア: 新書購入: 4人 クリック: 26回この商品を含むブログ (84件) を見る 仲正昌樹『日本とドイツ二つの戦後思想』は、戦後のドイツと日本を比較しな…

ブッダ論理学五つの難問

ブッダ論理学五つの難問 (講談社選書メチエ)作者: 石飛道子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/07/09メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (25件) を見る タイトルに惹かれて、石飛道子『ブッダ論理学五つの難問…

大統領の理髪師

イム・チャンサンの監督デビュー作『大統領の理髪師』*1が面白い。1960年〜1970年代の韓国の政治状況が背後にあり、平凡な散髪屋のソン・ガンホが、大統領パク・チョンヒの散髪師を命じられる。そのため、妻、長男までが巻き込まれる一種寓話的なお話。昨日…

サマリア

一部の映画関係者に高く評価されているキム・ギドク。今回はじめて『サマリア』を遅ればせながら観ることができた。一本のみでキム・ギドクを論じるつもりはない。あくまで『サマリア』から受けた衝撃について「偏見的鑑賞の記録」として残しておきたい。ネ…

『こころ』大人になれなかった先生

みすず書房の「理想の教室」シリーズの第2回配本。石原千秋『『こころ』大人になれなかった先生』は、漱石の作品の重層性に迫る内容で、「理想の教室」を3冊読み、このシリーズがいかに読みやすく、刺激的でしかも面白いかに言及したい。 『こころ』大人に…

荷風本のこと

朝寝の荷風作者: 持田叙子出版社/メーカー: 人文書院発売日: 2005/05/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (14件) を見る このところ荷風に関する本の出版が多い。すでに5月27日に拙ブログで言及した川本三郎・湯川説子『図説…

偏愛文学館

偏愛文学館??作者: 倉橋由美子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/07/08メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 6回この商品を含むブログ (31件) を見る 惜しくも急逝した作家・倉橋由美子の遺稿書評集『偏愛文学館』は、いかにも、この作家の好みが反映した…

female

映画化を前提として五人の女性作家が書き下ろした短編をもとに、五人の映画監督が撮った5本の映画で構成されている。いずれも、女性の「エロス」を主題としたもの。五人の女性作家とは、姫野カオルコ『桃』、室井佑月『太陽の見える場所まで』、唯川恵『夜…

スター・ウォーズ・エピソードⅢ シスの復讐

28年間の時間をかけた『スターウォーズ』サーガの最終完結篇。『エピソードⅢシスの復讐』(以下『EP3』の表記)は、しっかりと『EP4』につながるかたちで、すべての謎が解明された。スペースオペラとして、『スターウォーズ』ほど、他の多くの作品に…

「死の棘」日記

「死の棘」日記作者: 島尾敏雄出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/04/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (43件) を見る 島尾敏雄の『死の棘』は、なぜ、入院前で終わるのか気になっていた。『「死の棘」日記』にその理由が書…

ゴッドファーザー・デジタルリマスター版

いまさらではあるが、すでに古典的名作になっている『ゴッドファーザー』『ゴッドファーザーPART Ⅱ』の二本を、デジタルリマスター版で観る機会があった。あらためてこのフィルムが持つ総合芸術としての映画の素晴らしさを堪能した。 ゴッドファーザー [DVD]…

自由について

注文しておいた丸山眞男『自由について 七つの問答』(編集グループSURE)が届く。*1 朝日新聞2005年6月28日(火)に、この書物が紹介されていた。鶴見俊輔たちによる「文体の会」が、1984年、1985年の2回にわたり、丸山眞男から聞くと…

ライフ・イズ・コメディ

ピーター・セラーズの生涯を描いた『ライフ・イズ・コメディ』(The Life and death of Peter Sellers,2004)は、原題どおりピーターの「生と死」を、再現したものであり、『ピンク・パンサー』シリーズの喜劇俳優の素顔に迫る内容だ。ピーター・セラーズを、…

会社はだれのものか

会社はだれのものか作者: 岩井克人出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2005/06/25メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 39回この商品を含むブログ (79件) を見る ライブドアとフジテレビの買収合戦は記憶に新しい。岩井克人『会社はだれのものか』は、前作『会…